メリット

・非課税枠がある(500万円×法定相続人数) ※1

・事前に必要に思われる納税用資金に見合った保険を設定できる

・代償分割の資金に充当できる

 

※1 見送られた平成23年度税制改正大綱では、法定相続人を「A 未成年者、B 障がい者、C 相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者」に該当する法定相続人に制限する内容でした。そのため、今後新たな生命保険契約を検討する場合にはこの改正大綱を加味して検討するほうがよいと考えられます。

 

※2 生命保険の相続対策のメリットとして、相続争いの防止に有用??

生命保険金は相続税の対象ですが、法律上の相続財産には含まれずに他の相続人とは関係なく受取人自身の「固有」の財産となるため、遺留分減殺請求の算定基礎の特別受益に該当せず、受取人は他の相続人から遺留分減殺請求されず、相続争いの防止に有用としているセールスなどが見受けられます。確かに、他の相続人と不公平がない場合は有用ですが、著しく不公平がある場合には民法903条の類推適用により、当該保険金等は特別受益に準じて遺留分算定基礎への持ち戻しの対象になるという判例がるため、相続人間で不公平があるような生命保険の掛け方はよけいに相続争いを助長するおそれがあります。

デメリット

・節税目的の保険の場合には、税制の変更で効果がなくなるおそれがある。

生命保険の相続対策方法

生命保険には様々な内容や掛け方があります。

<保険を掛ける2つの方法>

→相続税と所得税を比較して決定する、併用を考える必要があります。

①子供が保険契約者及び受取人で親を被保険者とする方法(掛金は贈与)

 →子供が受け取る保険金に相続税はかかりません。

ただし、所得税の一時所得として(保険金額ー50万円)×1/2に所得税率を掛けた金額が課税されます。

②親が保険契約者及び被保険者で子供を受取人とする方法

 →子供が受け取る保険金に相続税がかかります。(非課税枠あり)

<受取方法>

一時受取と年金受取(確定年金、終身年金)があります。H22年改正前は年金受取方式の場合、割引評価があり税務上有利だったが税制改正により評価額は原則として解約返戻金となり評価の減額ができなくなったため、保険契約の見直しが必要となるケースがあります。

<定期保険と終身保険>

定期保険  

長所:安い保険料で高倍率な保険  短所:一定年齢で保険が切れる

終身保険

長所:保険期間は一生涯      短所:定期保険に比べて保険料が高い

納税資金確保のためには、終身保険を利用する必要があります。

 

生命保険活用のポイント

生命保険の活用の最大のメリットは納税資金対策への利用にあります。デメリットにあるように節税目的の保険の活用は効果がなくなるおそれがあるため、非課税枠の有効利用程度にとどめ、その他の節税対策を行ったうえで必要となる納税資金を保険を活用して補充するという方法が最善策と考えられます。

評価

相続争い対策 ★★
納税資金対策 ★★★★★
節税対策 ★★